ビニール製のプールを長く外に置いておくと、カビが生えることがあります。これは特に、保管状態が良くない場合によく見られます。赤や黒のカビが現れることもありますが、塩素入りの漂白剤を使って取り除くことができます。
漂白剤を使ってもビニールを傷めることは少ないですが、色あせする可能性があるので、心配ならば塩素漂白剤よりも優しい酸素漂白剤を使う手もあります。
ピンクのカビは、実はカビではなく、酵母に近い微生物で、繁殖しやすいのが特徴です。一方、黒カビは洗濯機や浴室にもよく生え、アレルギーの原因になることもあるので注意が必要です。
プールにできる黒い斑点がすべてカビとは限らず、材質の劣化のせいかもしれません。
ビニールプールのカビ落としにおすすめの洗剤
プールのカビはスポンジでこすって取ることができますが、すべて取り除かないとまた生えてくることがあります。きちんと除去するためには、殺菌・消毒できる洗剤の使用がおすすめです。
カビ除去用の洗剤には三つの主なタイプがあります。
1) 塩素系漂白剤(例:カビキラー)
2) 酸素系漂白剤(例:オキシクリーン)
3) 重曹やエタノール
これらの中で、塩素系漂白剤は最も強力ですが、使用の際には注意が必要です。
ビニールプールのカビ取り方法 その1(カビキラー)
カビを効率良く取り除くには、塩素系の製品が一般的で、市販されているカビキラーやカビハイター、キッチンハイター、トイレハイターなどが有効です。これらは塩素系漂白剤として、直接カビの生えた箇所にスプレーし、5分から10分放置することで、カビをしっかりと除去できます。
市販される塩素系漂白剤には、台所用、お風呂用、トイレ用など用途に応じた製品がありますが、成分には大差がないため、例えばビニールプールのカビ除去にも使用できます。
これらの製品は主に次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウム、界面活性剤という三つの成分で作られています。用途によって成分の比率が若干異なることがあるものの、主な違いは香りを加えたり塩素の臭いを抑える成分が含まれている点です。
例えば、バスルーム用のカビ除去剤をキッチンで使用すれば、油膜を取り除く効果があったり、排水溝やスポンジの消毒に役立ちます。また、キッチン用の製品をトイレやバスルームの清掃に、バスルーム用の製品をキッチンでのカビ取りに使うこともできます。
次亜塩素酸塩は、色素を分解し、カビの細胞や酵素を破壊することで、強力な殺菌効果をもたらします。また、水酸化ナトリウムと界面活性剤が含まれていることで、次亜塩素酸塩がカビにより効果的に浸透するようにし、同時に汚れも取り除く清掃効果を発揮します。
カビキラーを誤って飲んでしまったら?
もしカビ取り剤を間違って飲んでしまった場合、以下の応急処置を行うことが推奨されます。
・無理に嘔吐させないこと。口の中をきれいな水で洗い流す。
・通常のコップで1〜2杯の牛乳を飲ませる。
・これらの対応をした後、すぐに医療機関に連絡する。
漂白剤のラベルにはしばしば「混合による危険」という警告が記載されており、これは酸性の物質と混ぜると有害なガスが発生する可能性があることを指しています。漂白剤を無理やり吐かせることは、漂白剤が肺に入る危険性を増し、状況をさらに悪化させることにつながります。牛乳を飲ませることの目的は、胃酸との反応を抑えることにあります。
ビニールプールのカビ取り方法 その2(オキシクリーン)
安全性を考えるならオキシクリーンです。酸素系漂白剤であるオキシクリーンなら塩素系漂白剤に比べて安全性が高く、カビを効果的に除去することができます。粉末の酸素系漂白剤は過炭酸ナトリウムが主成分であり、液体状のものは過酸化水素が主成分で、これらは酸化作用によって漂白や消毒を行います。
酸素系漂白剤は、ビニールプールの退色を少なく抑えつつ、カビに対しても有効です。カビを取り除く方法の一つとして、漂白剤を溶かした温かい水にプールを数時間浸すという手があります。活性酸素はおよそ40度の温水でより効果を発揮します。ですので、漂白剤をバケツに溶かしてからビニールプールを浸し、後でスポンジで軽くこすれば、カビが大量に取れるでしょう。
ビニールプールのカビ取り方法 その3(重曹・エタノール)
環境にやさしいビニールプールのカビ取りとしては、ベーキングソーダ(重曹)やエタノールの使用が推奨されています。これらは自然環境に優しく、カビ取り剤として機能します。
ベーキングソーダを水に混ぜると弱アルカリ性を示し、カビやバクテリアの除去に効果的です。水100ミリリットルに対して小さじ1杯のベーキングソーダを混ぜ、これをスプレーしてカビが生えた場所に散布し、3時間程度放置することで、殺菌効果が高まります。長時間放置することで効果はさらに増し、その後つけ置き洗いをすると清掃効果が向上します。
さらに、エタノールの消毒力を利用し、エタノールを含ませたキッチンペーパーでカビを拭き取るのも一つの方法です。
ビニールプールのカビの予防方法は?
ビニールプールのカビを防ぐには、乾燥させることが大切です。使用後は水を抜いて、余分な水分をしっかり拭き取りましょう。日光には消毒効果がありますが、プールの材質を傷める原因にもなるため、なるべく日陰で保管するのが良いでしょう。
ビニールプールのカビの種類は?
ビニールプールに生えやすいピンクや赤のカビは「ロドトルラ」という酵母菌で、水分のある環境で急速に増えます。人の皮脂などがエサになって、色付きの汚れを作ります。表面は簡単に拭けるかもしれませんが、見えない菌が残るため、殺菌効果のある洗剤でしっかりと洗うことが大切です。
ビニールプールの黒いカビは?
黒カビは、クラドスポリウムやクロカワカビと呼ばれるもので、一度生えるとなかなか取り除けません。表面をこすっても落ちないため、洗剤でしっかり洗う必要があります。使い古したビニールプールは黒カビがアレルギーを引き起こすこともあるので、新しいものに交換することも検討してください。