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浄土真宗・曹洞宗・真言宗の焼香作法の違いは?

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浄土真宗の焼香は一般に、一度だけ行い、香を額に押し付けずに器に入れます。地域や家族の伝統により作法が異なるため、焼香を始める人(通常は喪主)や、自分の前の人の方法を模倣することが推奨されます。

焼香には、座って行う座礼(回し焼香)と、立って祭壇へ歩いて行う立礼の2種類があります。どちらも、一礼してから焼香をし、合掌した後に再び一礼して次の人へと進めます。

数珠を持つことは推奨されますが、必須ではありません。葬儀で数珠なしで参加すると、非常識と見なされる可能性があるため、特に成人したら数珠を持つことが望ましいです。葬儀の参加が増えるにつれて、数珠を早めに準備することをお勧めします。

礼服や靴は他人から借りることができますが、数珠は個人が所有すべきものです。そのため、数珠の準備は早めに行うのが良いでしょう。

 

浄土真宗のお焼香の手順とマナー

葬式におけるお焼香のマナーについては、自分の属する宗教宗派によって異なります。例えば、あなたの家族が浄土真宗を信仰している場合、その宗派の方法に従うのが望ましいです。しかし、自分の宗派が不明だったり、地元の習慣や慣習がある場合も考えられます。

このような場合、先にお焼香をする人の方法を観察し、それにならうのが安全です。もしやり方を少し間違えても、周囲から非難されることはまずありません。他人は「彼らは自分たちの宗派の方法でお焼香をしているのだろう」と考える程度です。

お焼香には二つの形式があります。一つは「回し焼香」と呼ばれ、座ったまま行う方法です。もう一つは立って祭壇に歩いていき、お焼香をする方法です。

特に立って行う方法の方が手順がやや複雑です。一般的な浄土真宗のお焼香の手順を例にとると、次のようになります:

・僧侶、遺族、遺影(祭壇)に向かって一礼
・お焼香は1回または2回
・念仏を唱える
・再び一礼して席に戻る

これが一般的な流れです。

 

礼拝順序:焼香中の一礼

あなたが焼香をする番が来たら、座席から立ち上がって、まず礼をします。

礼の順序は、

・遺族
・僧侶
・祭壇の遺影

に向けて行います。通常は座席に近い順に礼をします。

浄土真宗の伝統において、礼の正確な方法に厳密なルールは存在しないため、軽い会釈で十分です。焼香の際、立っている状態での礼は、座っている時よりも手順が長くなりがちです。ここでは、浄土真宗の一般的な焼香の手順を、立礼を例に説明します。

 

浄土真宗の焼香の正しい回数

浄土真宗の伝統では、焼香は通常一回行うとされています。しかし、二回行うべきだとする意見も存在するため、実際には前の人が行った回数に合わせるのが賢明です。

香盒(お香を入れる器)が祭壇の前の焼香台に設置されている場合、その蓋は右手を使って取り外し、香盒の右側に置きます。焼香用のお香を右手で一度つまみ、香盒に入れます。この際、浄土真宗の慣習では、つまんだお香を額に近づけることはしないというルールがあります。

また、お香をつまむ前に祭壇に対して合掌礼拝を行う必要はありません。焼香は全て右手で行うのが一般的で、これは左手で数珠を持っているためです。

 

念仏を唱える

手に数珠を持ちながら合掌し、
「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えます。そして、
祭壇の前で敬意を表して拝礼します。

 

再び一礼して自席に戻る

念仏を唱えて礼拝を済ませた後は、
もう一度祭壇に向かって一礼し自分の席に戻ります。

 

座って行う焼香の方法

座って行う焼香の際は、特定のステップが不要になります。

焼香用の盆が前の人から渡されたら、簡単な会釈をして自分の前に持ってきます。そして、祭壇に向かって一度頭を下げます。

以前説明した手順に従い、額に香を押し当てることなく、香を一度だけつまみ焼香します。念仏を唱えながら合掌し、その後、次の人に焼香用の盆を渡します。

 

お香の種類は?

様々な香りが楽しめるお香には、以下のような種類が存在します。

・伽羅(別名:きゃら)
・沈香(別名:じんこう)
・白檀(別名:びゃくだん)
・五種類の混合香
・七種類の混合香
・十種類の混合香

これらの香りは、それぞれ特有の特徴と魅力を持っています。

 

焼香の意義と起源

葬儀における焼香の慣習は、浄土を象徴する香り豊かな環境を再現するために行われます。この行為は、美しい香りで仏さまへの敬意を表し、自身を浄化する意味合いを持っています。

焼香には、もうひとつの起源があります。伝承によると、お釈迦様の弟子たちが寺院で香を焚いた際、その香りがお釈迦様に届き、彼が説法のために姿を現したとされています。この話から、「心を込めて香を焚くことで、お釈迦様が現れる」という信仰が生まれたとも言われています。

 

数珠の正しい持ち方と焼香時の作法

焼香の際、数珠の適切な持ち方についてご説明します。数珠は左手で持ち続けることが一般的です。これは膝の上に置いたり、胸ポケットにしまったりすることを避けるためです。数珠に房(ぼんぼん)が付いている場合、房を下にして左手で持ちます。そして、焼香は右手を使って行います。

映画やドラマで見るような数珠をジャラジャラと音を鳴らす行為は、現実では避けるべきです。数珠で音を立てることは、不適切とみなされる可能性があります。

 

浄土真宗の数珠はどう選んだら良いのか?

伝統的な仏教の数珠には、人の心の煩わしさを象徴する108個の玉があります。この数珠を常に持ち歩き、使うことで心の平安がもたらされ、精神的な恩恵を受けることができます。

異なる宗派では数珠の玉の数が異なる場合がありますが、特に浄土真宗では玉の数に厳密な指定はありません。この宗派では、どのタイプの数珠でも使用が可能です。

一般的な男性用の数珠には「22玉」、「20玉」、「18玉」、または「みかん玉」と呼ばれる特殊なデザインがあります。女性用の数珠は通常8寸(約25.5cm)サイズで、主玉が108個と親玉1個の標準デザインがあります。男性用の9寸サイズ(約28.5cm)では、主玉108個のデザインは一般的ではありません。

数珠の材質は多岐にわたり、水晶やガラスなどがありますが、特に「略式念珠」では材質の指定はありません。黒檀なども人気の材質で、特に価値があるとされるのは、お釈迦さまが悟りを開かれたとされる場所の菩提樹から作られるものです。

 

浄土真宗の葬儀の特色と他の仏教宗派との対比

浄土真宗は、他の仏教宗派と比べて独自の特徴を持っています。特に葬儀の儀式において顕著な差異が見られます。浄土真宗の葬儀における主な特色には以下のようなものがあります:

・礼拝の焦点は故人ではなく、阿弥陀如来に置かれている
・「引導」と呼ばれる儀式が行われない
・焼香の行為に込められた意味合いが異なる

これらは浄土真宗の葬儀が他の宗派と異なる点の例です。

 

阿弥陀如来への礼拝

仏教の多くの宗派では、故人は亡くなってから初七日まで「霊」とみなされ、初七日を過ぎると「三途の川」を渡ったとして「仏」と認識されます。そのため、初七日までは香典の表書きに「ご霊前」と記され、初七日以降(例えば四十九日の場合)は「ご仏前」となります。

一方、浄土真宗では、人は死後すぐに「即身成仏」となるという教えがあります。このため、浄土真宗の葬儀においては、合掌や礼拝の対象は故人ではなく、阿弥陀如来に捧げられます。

 

浄土真宗では「引導」がない

浄土真宗の葬儀では、一般的な仏教の儀式である僧侶による経文の唱和、通常は棺前で行われる「引導」という行為が省略されます。この宗派は「即身成仏」の教えに基づいており、死後すぐに成仏が可能とされています。そのため、引導のような儀式は必要とされません。浄土真宗では、成仏に必要なのは自身の努力ではなく、阿弥陀如来の願力(他力)に依存するとされ、念仏を唱えることにより成仏が約束されているとされています。

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